『ハーバード、オックスフォード…世界のトップスクールが実践する考え方の磨き方』福原正大_0007
とても良い本だった。
ただ、この本の題名だけは変えたほうがいいのではないだろうか。題名の軽さとは逆に内容はとても深い。
『世界人として考える』『日本人に不足する、違いを認める力の付け方』『世界に生きる自分の軸の作り方』とか。
トップスクールってどんだけ凄いものなのか想像つかないという僕の問題もあるが。
と、まぁ題名と表紙はあまり良くないが、内容は良い本である。
■答えの出ない問題を考えること
この本では、基礎となる知識を得ながら、いくつかの題で答えの出ない問題について考えることになる。
・自由と平等はどちらが大事か。
・資本主義と社会主義はどちらが人を幸せにするのか。
・政府は市場経済に介入すべきか、否か。
・科学技術の進歩と自然保護はどちらが大事なのか。
どれも聞いたことのあるような命題だが、ちゃんと考えたこたはなかった。
それは、考えるための知識がなかったという事と、考えるための知識を得るほどの意欲が無かったという事によるが、今回この本を読んで、知って考えることの面白さを知った。
これに、議論をする相手がいれば、さらに面白いだろうと思う。
■知ってよかったこと
□「アナリティック」か「ホリスティック」かの認識スタイルの違い
デカルト的アプローチ(疑う・細分化・単純から複雑を考える・抜け漏れチェック)で物事を考えるか、そうではなく、全体としてざっくり考えるかで、物事の認識に違いが出てくる。
前者が「アナリティック」で、後者が「ホリスティック」という事になる。
僕は、どちらかというと「ホリスティック」がメインの認識スタイルをしている。
これを知れて良かったのは、他人の考えについて自分が違和感を覚えることは、だいたいアナリティックな考えだったんだなと気づけたことだ。
この人とは相容れないな、と感じていたのが、この人は認識スタイルが違うな、に変わったのだから、その変化は凄い。
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他にも、ハイエクの経済理論
(・まず自分でなんとかする
・民間の自由に任せ、一部の人が得をするシステムをなくす
・あらゆる資源を、もっと有効なところに投下する。
そうすると経済はよく回るよという理論)
とかも、これからの社会にぴったりだなぁーと考えたり、自然と科学についての考察も面白かった。
個人的に、残念な題名だなと考えていたけれど、中身はすごく良い。
一読の価値はある。
https://www.amazon.co.jp/dp/4479794174/ref=cm_sw_r_cp_awdb_c_1mTOBbTQNEQRQ